経営情報システム

中小企業診断士:2017年度経営情報システム(21-25)

【第21問】
システム開発の成功のためには、プロジェクトの予算と実績の差異分析が重要になる。その手法のつにアーンド・バリュー分析がある。アーンド・バリュー分析では、AC(Actual Cost:コスト実績値)、EV(Earned Value:出来高実績値)、PV(Planned Value:出来高計画値)を用いて、コスト効率指数である CPI (Cost Performance Index)や、スケジュール効率指数である SPI(Schedule Performance Index)などを計算する。
CPI と SPI の計算式の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。

〔解答群〕

  1. CPI = AC/EV SPI = EV/PV
  2. CPI = EV/AC SPI = EV/PV
  3. CPI = EV/PV SPI = AC/EV
  4. CPI = EV/PV SPI = EV/AC

 

【解答と解説】
解答:イ

ポイント

コスト効率指数:CPI (Cost Performance Index)
プロジェクトマネジメント手法のEVMで利用される指標の一つで、ある時点までに投入した実際のコスト(AC:Actual Cost)に対する、その時点に完了した作業の予算コストの合計(EV:Earned Value)の比率のこと。
EVをACで割って求められ、プロジェクトの進行中にコストが予算に収まっているか超過しているかを知ることができる。これが1であればコストは予定通り消化されており、1を上回っていれば予定よりコストが少なく、下回っていればコストが超過していることが分かる。
CPI = EV/AC

スケジュール効率指数:SPI(Schedule Performance Index)
プロジェクトマネジメント手法のEVMで利用される指標の一つで、計画時に見積もられた、ある時点までに達成すべき作業の予算コストの合計(PV:Planned Value)に対する、その時点で完了した作業の予算コストの合計(EV:Earned Value)の比率のこと。
EVをPVで割って求められ、プロジェクトが計画に対してどの程度順調に進捗しているかを知ることができる。これが1であれば作業は予定通りに進んでおり、1を上回っていれば予定より早く、下回っていれば予定より遅れていることが分かる。
SPI = EV/PV

e-words引用

 

解説

ポイントに示したように、コスト効率指数である CPI (Cost Performance Index)とスケジュール効率指数である SPI(Schedule Performance Index)は下記のように求めることができます。

CPI(Cost Performance Index) = EV(Earned Value) / AC(Actual Cost)

SPI(Schedule Performance Index) = EV(Earned Value) / PV(Planned Value)

よって、正解の選択肢はイです。

 

 

 

 

 

【第22問】
ATM を使った金融取引や PC へのログインの際など、本人確認のための生体認証技術が広く社会に普及している。認証の精度は、他人受入率(FAR:FalseAcceptance Rate)と本人拒否率(FRR:False Rejection Rate)によって決まる。このつはトレードオフ関係にあり、一般に片方を低く抑えようとすると、もう片方は高くなる。
FAR と FRR に関する以下の文章の空欄A〜Dに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

が低いと安全性を重視したシステムになり、 が低いと利用者の利便性を重視したシステムになる。
b ATM での生体認証では、 が十分低くなるように設定されている。
c なりすましを防止するには、 を低く抑えることに重点をおけばよい。

〔解答群〕

  1. A:FAR B:FRR C:FAR D:FAR
  2. A:FAR B:FRR C:FRR D:FRR
  3. A:FRR B:FAR C:FAR D:FAR
  4. A:FRR B:FAR C:FRR D:FRR

 

【解答と解説】
解答:ア

ポイント

他人受入率(FAR:FalseAcceptance Rate)
バイオメトリクス認証(生体認証)システムなどの精度を表す指標の一つで、他人が認証を試みたときに本人であると誤認してしまう割合。
バイオメトリクス認証では指紋など一人ひとり異なる身体的特徴をあらかじめ登録しておき、認証を試みた人物の特徴が本人のものに一致するかコンピュータが判定する。その際、他人が本人になりすまして認証を試みているのに、他人であると認識できず本人として通してしまう割合のことを他人受入率という。

本人拒否率(FRR:False Rejection Rate)
バイオメトリクス認証(生体認証)システムなどの精度を表す指標の一つで、本人が認証を試みているのに本人であると認識できず拒否してしまう割合。
バイオメトリクス認証では指紋など一人ひとり異なる身体的特徴をあらかじめ登録しておき、認証を試みた人物の特徴が本人のものに一致するかコンピュータが判定する。その際、本人が認証を試みているのに本人であると認識できず、他人であるとして拒否してしまう割合のことを本人拒否率という。

 

解説

ポイントに示したように、FARとFRRは下記のことです。

FARは他人が認証を試みたときに本人であると誤認してしまう割合。
FRRは本人が認証を試みているのに本人であると認識できず拒否してしまう割合。

以上のことから、下記のように空欄を埋めることができます。

A:FAR が低いと安全性を重視したシステムになり、 B: FRR が低いと利用者の利便性を重視したシステムになる。
b ATM での生体認証では、 C:FAR が十分低くなるように設定されている。
c なりすましを防止するには、 D:FAR を低く抑えることに重点をおけばよい。

よって、正解の選択肢はアです。

 

 

 

 

 

【第23問】
中小企業A社は、現在クライアント・サーバ方式で財務・会計システムを保有しているが、クラウド・コンピューティングへの移行を検討している。
クラウド・コンピューティングに関する記述として、最も適切なものはどれか。

 

〔解答群〕

  1. PaaS を利用する場合、ミドルウェア部分のサービスのみが提供されるため、現行のクライアント・サーバシステムを保有し続ける必要がある。
  2. SaaS 利用ではアプリケーション、PaaS 利用ではミドルウェアというように、それぞれサービスを提供する業者が異なるため、それらをうまく組み合わせてシステムを再構築する必要がある。
  3. SaaS を利用する場合、課金体系は月額固定制であることが法的に義務付けられているため、システムの利用頻度が高いほど業務単位当たりの実質的コストが軽減できる。
  4. SaaS を利用する場合、業者の提供するアプリケーションを活用することになるため、自社業務への適合性などをよく検討する必要がある。

 

【解答と解説】
解答:エ

ポイント

クラウドコンピューティング
コンピュータの機能や処理能力、ソフトウェア、データなどをインターネットなどの通信ネットワークを通じてサービスとして呼び出して遠隔から利用すること。

  • IaaS
    I仮想サーバーやネットワークなどのインフラを提供します。管理者がスペック、OS、ストレージの容量、ネットワーク(ファイアウォール、ロードバランサなど)を自由にカスタマイズできます。自由度が高く迅速に環境を構築できることが大きなメリットです。
  • PaaS
    一般ユーザーの利用にとどまらず、開発のプラットフォーム(基盤)として利用することを想定して、クラウドを提供しています。IaaSの違いとしては、IaaSがインフラの提供に対して、PaaSはミドルウェアも含めてプログラム開発の動作環境、実行環境まで提供していることです。
  • SaaS
    ソフトウェアをインターネットを通じて遠隔から利用者に提供する方式です。ソフトウェアを提供します。従来のアプリケーションソフトウェアは、パッケージ製品で、DVDなどのディスクからクライアントのパソコンにインストールしていました。しかし、アプリケーションソフトウェアをインターネットを介して利用できます。
  • DaaS
    コンピュータのデスクトップ操作画面をネットワークを通じて遠隔の端末へ提供するサービスです。利用者ごとにフル機能のコンピュータ一式を揃えなくても簡易な端末などを通じてデスクトップ環境を利用できます。
  • MaaS
    クライアントのデスクトップ環境を提供します。ユーザーはディスプレイとキーボードなどの機器を用意するだけで、ネットワーク上のデスクトップ環境を呼び出して利用できます。アイコンやフォルダやウィンドウなどのGUIすべてをクラウドから呼び出します。スマートフォンやタブレットなどの端末で使うことのできるサービスもあります。

(CAPAe-words引用)

 

解説

  1. 不適切です。PaaSはミドルウェア部分とIaaSの内容も含んでいます。
  2. 不適切です。SaaSの提供される内容はPaaSの内容も含んでいます。
  3. 不適切です。課金体系は月額固定制であることが法的に義務付けられているわけではありません。
  4. 正解です。SaaSの適切な説明です。

 

 

 

 

 

【第24問】
ある企業では、ここ数年の月当たり販売促進費とその月の売上高を整理したところ、下図のような関係が観察された。
販売促進費と売上高の関係式を求めるための分析手法として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

〔解答群〕

  1. 因子分析
  2. 回帰分析
  3. クラスター分析
  4. コンジョイント分析

 

【解答と解説】
解答:イ

ポイント

因子分析
多変数の観測データからその中に潜在する共通因子を求める手法で、1904年にスピアマン(Spearman)によって提案された。観測データは結果系であり、その原因系としての因子を求める。
主成分分析との違いは、主成分分析は変数を合成することを目的とし、因子分析は変数を分解することを目的としている点である。
因子分析の手順は、まず共通性の初期値を設定し、固有値分解を行ったあと、スクリープロットを描いて因子数を決定する。その後、主因子法や最尤法などの推定手法を用いて因子負荷量を算出する。共通因子が解釈しやすい構造となるように、しばしば因子の回転が行われる。

回帰分析
分析対象の変数(目的変数 / 従属変数)を他の1つまたは複数の変数(説明変数 / 独立変数)により説明し予測しようとする手法。

クラスター分析
複数の手法があり、大きくは階層型と非階層型の2種類に分かれる。
階層型では、得られた標本において、距離や相関係数によってケース間の類似度を求め、類似度の近いものから順にクラスターに結合していく。最初はケースの数だけクラスターがあるが、結合するたびにクラスターの数は1つずつ減っていく。この結合の過程をグラフにしたものがデンドログラムである。
階層的のクラスター間の距離計算の方法には以下のようなものがある。

  • 最短距離法
  • 最長距離法
  • 群平均法
  • 重心法
  • メディアン法
  • ウォード法

非階層型ではクラスター内ではできるだけ均一に、クラスター間はできるだけ異なるように分類する。非階層型クラスター分析の代表的手法の1つにk-means法がある。

コンジョイント分析
被験者に商品やサービスのスペックを複数呈示して、スペックに対する選好を尋ねる。その結果からスペックを構成する各要素(機能、デザイン、価格など)が選好にどの程度影響しているかを調べる分析のこと。
スペック組み、スペックの呈示と選好度の計測、部分効用(各要素の選好への影響度合い)の推定の3つのステップからなる。

統計WEB引用

 

解説

  1. 不適切です。因子分析は多変数の観測データからその中に潜在する共通因子を求める手法ですので、今回の分析には適切ではありません。
  2. 正解です。回帰分析は分析対象の変数(目的変数 / 従属変数)を他の1つまたは複数の変数(説明変数 / 独立変数)により説明し予測しようとする手法であり、今回の分析として適切です。
  3. 不適切です。クラスター分析は類似度の高い物同士をグルーピングしますので、今回の分析には適切ではありません。
  4. 不適切です。コンジョイント分析はスペックを構成する各要素(機能、デザイン、価格など)が選好にどの程度影響しているかを調べる分析ですので、今回の分析には適切ではありません。

 

 

 

 

 

【第25問】
アンケート調査では、どのようなデータを収集するか、あるいはどのような測定尺度を用いるかを定める必要がある。

それらに関する以下の文章の空欄A〜Dに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
で測定されたデータは、身長や体重などのように値が絶対的な意味を持つ。
で測定されたデータは、値の大小関係と差の大きさに意味があり、値は相対的な意味しか持たない。
c 特定の年あるいは期間に生まれた人の集団を といい、人口の推移を分析する場合などに用いられる。
d 同一標本に対し継続的に繰り返し調査を行う場合、調査対象となった集団を という。

〔解答群〕

  1. A:間隔尺度 B:比(比例)尺度
    C:コーホート(cohort) D:パネル(panel)
  2. A:間隔尺度 B:比(比例)尺度
    C:パネル(panel) D:コーホート(cohort)
  3. A:比(比例)尺度 B:間隔尺度
    C:コーホート(cohort) D:パネル(panel)
  4. A:比(比例)尺度 B:間隔尺度
    C:パネル(panel) D:コーホート(cohort)

 

【解答と解説】
解答:ウ

ポイント

コホート研究
異なる特性を持つ複数の患者群(コホート)を時間の流れに沿って観察し、その特性と疾患との関係を調べようとする研究方法のこと。

パネル調査
調査対象者を一定期間固定し、同じ調査票で継続的に何度か実施する調査のこと。時系列変動を把握できるのが特徴。

名義尺度
他と区別し分類するための名称のようなもの
例:男女、血液型、郵便番号、住所、本籍地、所属学部、学籍番号

順序尺度
順序や大小には意味があるが間隔には意味がないもの
例えば、1位+2位≠3位のように、足し算引き算ができないもの
例:1位 / 2位 / 3位…、1. 好き / 2. ふつう / 3. 嫌い、統計検定1級 / 2級 / 3級 / 4級、がんのステージ分類におけるステージI / II / III / IV

間隔尺度
目盛が等間隔になっているもので、その間隔に意味があるもの
例えば、気温が19℃から1℃上昇すると20℃になるとは言えるが、10℃から20℃に上昇したとき、2倍になったとは言えないもの
例:気温(摂氏)、西暦、テストの点数

比例尺度
0が原点であり、間隔と比率に意味があるもの
例えば、身長が150cmから30cm伸びると180cmになると言えるし、1.2倍になったとも言えるもの
例:身長、速度、睡眠時間、値段、給料、幅跳びの記録

統計WEB引用

 

解説

ポイントに示した語句が理解できていれば、下記のように空欄を埋めることができます。

A:比(比例)尺度 で測定されたデータは、身長や体重などのように値が絶対的な意味を持つ。
B:間隔尺度 で測定されたデータは、値の大小関係と差の大きさに意味があり、値は相対的な意味しか持たない。
c 特定の年あるいは期間に生まれた人の集団を C:コーホート(cohort) といい、人口の推移を分析する場合などに用いられる。
d 同一標本に対し継続的に繰り返し調査を行う場合、調査対象となった集団を D:パネル(panel) という。

よって、正解の選択肢はウです。

 

 

 

 

 

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