経済学・経済政策

中小企業診断士:2017年度経済学・経済政策(21-23)

【第21問】
昨今、WTO を中心とする多国間交渉はうまくいかず、FTA のような比較的少数の国の間の交渉が増加している。
下図は、関税引き下げによって輸入品の価格が $P_0$ から $P_1$ に下落する場合を描いている。この図に関する説明として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

〔解答群〕

  1. 関税引き下げ後、国内の生産者余剰は、引き下げ前より三角形 FGH の分だけ減少する。
  2. 関税引き下げ後、消費者余剰は、関税引き下げ幅に輸入量 CG を乗じた分だけ増加する。
  3. 関税引き下げによる、国内の生産者から消費者への再分配効果は、四角形$P_0FGP_1$ である。
  4. 関税引き下げによる貿易創造効果は、四角形 BCGF の部分である。

 

【解答と解説】
解答:ウ

 

解説

  1. 不適切です。関税引下げ前の生産者余剰は△$P_0FO$、引下げ後の生産者余剰は△$P_1GO$です。よって、関税引下げによる生産者余剰の減少額は□$P_0FGP$です。
  2. 不適切です。関税引下げ前の消費者余剰は△$AP_0B$、関税引下げ後の消費者余剰は△$AP_1C$です。関税引下げによる消費者余剰の増加額は、□$P_0BCP_1$です。
  3. 正解です。関税引下げによる消費者余剰の増加額は□$P_0BCP_1$、関税引下げによる生産者余剰の減少は□$P_0FGP_1$です。よって、国内の生産者から消費者への再分配効果は、四角形$P_0FGP_1$ です。
  4. 不適切です。関税引下げによる消費者余剰の増加は□$P_0BCP_1$、生産者余剰の減少は□$P_0FGP_1$で、関税引下げによる関税収入の減少は□FHIBです。□BCGFの内に関税収入の減少分である□FHIBが入っています。

 

 

 

 

 

【第22問】
技術革新およびその奨励政策に関する理論的記述として、最も適切なものはどれか。

〔解答群〕

  1. 新しいビジネスモデルのようなアイデアの限界費用がゼロであるとする。このとき、競争市場においては、効率性の観点から判断すると、社会に対して無償で提供されるのが望ましい。
  2. 企業の生産設備は、償却可能資産であり、経年減価する。したがって、競争市場においては、法人税で加速度償却を認めることに企業の設備投資を促す効果はない。
  3. 基礎研究は、社会に大きな利益をもたらすとき、外部経済効果を有することになる。したがって、競争市場においては、基礎研究への政府による補助金は企業に基礎研究への取り組みを促す効果を期待できない。
  4. 研究開発費が固定費用であるとき、研究開発に多額の費用を要する企業は多額のサンクコストを抱えることになる。したがって、競争市場においては、政府が研究開発費に補助金を支給したとしても、新規企業の参入による研究開発の促進は期待できない。

 

【解答と解説】
解答:ア

 

解説

  1. 正解です。限界費用がゼロであると言うことは可変費用がゼロであることを示しています。限界費用ゼロ社会では、企業の利益ではなく公共の利益を追求する社会になるので、結果的に資本主義社会の衰退につながり、新たな社会が生まれるものと期待されています。
  2. 不適切です。法人税で加速度償却を認めることで、企業の投資した設備の対応期間の間隔を短くする効果があり、設備投資を促す効果があります。
  3. 不適切です。基礎研究が社会的に大きな利益をもたらすことがわかっている時に、基礎研究への政府へによる補助金の導入することで、企業はその利益を得るために基礎研究へ取り組みを実施します。
  4. 不適切です。研究開発費が固定費で、研究開発に多額のサンクコストを抱える時、政府による研究開発費の補助金はそのサンクコストを下げる効果があります。そのため、新規企業の参入による研究開発を促すことができます。

 

 

 

 

 

【第23問】
少子高齢化と日本の経済・財政との関係に関する記述として、最も適切なものはどれか。

〔解答群〕

  1. 60 歳を超えると年間収入が減少する傾向があるため、世帯主の年齢が60 歳以上の世帯の貯蓄額は世帯主が60 歳未満の世帯の貯蓄額よりも低い水準にある。
  2. 生産性が一定のとき、少子化による労働人口の減少は GDP を減少させる。
  3. 高齢化の進行は、社会保障による所得再分配効果を小さくする。
  4. 日本の年金財政は、積立方式であるため、人口構成の変化からの直接の影響を受けない。

 

【解答と解説】
解答:イ

 

解説

  1. 不適切です。60 歳を超えると年間収入が減少する傾向があります。一方で、世帯主の年齢が60 歳以上の世帯の貯蓄額は世帯主が60 歳未満の世帯の貯蓄額より多くなります。
  2. 正解です。労働人口の減少は、企業の人手不足を招き、生産性が一定の場合、生産活動が大きく減少します。そのため、GDPの減少も減少します。
  3. 不適切です。高齢化の進行は、医療費の増加から、高齢化社会の進行は社会保障費が増大しますので、所得再分配効果を大きくします。
  4. 不適切です。年金財政は賦課方式であり、労働人口の減少によってその仕組みが成り立たなくなる場合も考えられます。

 

 

 

 

 

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