経済学・経済政策

中小企業診断士:2017年度経済学・経済政策(11-15)

【第11問】
下図によって間接税(従量税)の経済効果を考える。需要曲線を D、課税前の供給曲線を S、課税後の供給曲線を S′ で表す。税は生産物1単位当たり t とし、納税義務者は生産者とする。下図では、税負担がすべて消費者に転嫁されている。
この図に関する記述として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。

a 税負担がすべて消費者に転嫁されるとき、消費者の支払う税額は四角形PEE′P′ で示される。
b 税負担がすべて消費者に転嫁されるとき、生産者の受け取る価格は課税前に比べて t だけ低下する。
c 税負担がすべて消費者に転嫁されるのは、需要の価格弾力性がゼロだからである。
d 税負担がすべて消費者に転嫁されるのは、生産量の増加に伴って限界費用が増加するからである。

〔解答群〕

  1. aとc
  2. aとd
  3. bとc
  4. bとd

 

【解答と解説】
解答:ア

 

解説

aからdまで順番に見ていきます。

aは適切です。生産者にふりかかった税金が、商品価格に上乗せした場合の消費者の支払う税額は四角形PEE′P′ です。

bは不適切です。生産者の受け取る価格は課税前後で変わりません。

cは適切です。税負担がすべて消費者に転嫁されるのは、需要の価格弾力性がゼロだからです。販売数量を上げることもできず、税負担分を企業努力で解決できません。

dは不適切です。生産量は一定で増えていくので、限界費用は変化しません。

よって、正解の選択肢はアです。

 

 

 

 

 

【第12問】
無差別曲線は、一般に、原点に対して凸型をした右下がりの曲線である。しかしながら、その形状は消費者の好みなどによって変わることがある。下図のような形状の無差別曲線に関する記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

〔解答群〕

  1. Aさんは、喫茶店でコーヒーを1杯飲むとき、必ず角砂糖を1個だけ入れる。このとき、X 財をコーヒー、Y 財を角砂糖とした場合の無差別曲線は図のようになる。
  2. Bさんは、発泡酒が大好きであるが、どのブランドでもよいと思っている。このとき、ある2つのブランドの発泡酒を X 財、Y 財とした場合の無差別曲線は図のようになる。
  3. Cさんは、ゴルフに興味があり、野球には興味がない。このとき、X 財をゴルフの観戦チケット、Y 財を野球の観戦チケットとした場合の無差別曲線は図のようになる。
  4. Dさんは、その日の気分により、お昼におにぎりとパンのどちらかを選んで購入する。このとき、X 財をおにぎり、Y 財をパンとした場合の無差別曲線は図のようになる。

 

【解答と解説】
解答:ウ

ポイント

無差別曲線
一般均衡論での消費者行動を分析する際の基礎となる理論。いま一定の所得をもつ消費者が2つの異なる財( X,Y )を購入する場合,その組合せは無数に存在する。そこでX財を一定量 x1 とY財を一定量 y1 購入する場合,これと選択上,差別できない組合せを図に示すと A1B1 のように表わされる。

コトバンク引用

 

解説

  1. 不適切です。コーヒーをY財、角砂糖をX財とした場合、コーヒー1杯に対して角砂糖が1個入れるため、その効用は等しく増加します。
  2. 不適切です。グラフが問題文にある無差別曲線になるということは、2つの発泡酒のうち1つは嫌いだということになります。
  3. 正解です。ゴルフに興味があるのでゴルフ観戦するほど満足度が上昇しますが、野球観戦をしても満足度は上昇しません。よって、問題文のような無差別曲線になります。
  4. 不適切です。おにぎりとパンのどちらかを選ぶので、原点に凸な曲線になります。

 

 

 

 

 

【第13問】
需要の価格弾力性は、価格の変化によって売上額に影響を及ぼす。需要の価格弾力性と価格戦略に関する記述として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。

a 需要の価格弾力性が1より小さい場合、企業が価格を引き下げる戦略をとると、売上額は増加する。
b 需要の価格弾力性が1より小さい場合、企業が価格を引き上げる戦略をとると、需要が減少して、売上額も減少する。
c 需要の価格弾力性が1に等しい場合、企業が価格を変化させる戦略をとっても、売上額は変化しない。
d 需要の価格弾力性が1より大きい場合、企業が価格を引き下げる戦略をとると、売上額は増加する。

〔解答群〕

  1. aとb
  2. aとc
  3. bとd
  4. cとd

 

【解答と解説】
解答:エ

ポイント

価格弾力性
価格の変動によって、ある製品の需要や供給が変化する度合いを示す数値。需要の価格弾力性の場合は、需要の変化率/価格の変化率の絶対値で表される。例えば、ある製品の価格を10%値上げしたときに、需要が5%減少したとすると、この場合の価格弾力性は0.5となる。

この値が1より大きいと「弾力性が大きい」といい、1より小さいと「弾力性が小さい」という。価格弾力性が小さい場合は、価格を変更してもほとんど需要は変化しないが、価格弾力性が大きいと、価格が変わると需要が大きく変化する。通常、コメや野菜などの生活必需品は価格弾力性が小さく、宝飾品などの贅沢品は価格弾力性が大きいといわれる。

グロービズ経営大学院引用

 

解説

aからdまで順番に見ていきます。

aは不適切です。需要の価格弾力性が1より小さい場合、企業が価格を引き下げる戦略をとると、価格の減少し、需要は増えますが、価格の影響が大きいため売上は減少します。

bは不適切です。需要の価格弾力性が1より小さい場合、企業が価格を引き上げる戦略をとると、需要は減少しますが、減少幅が小さいので、売上は減少しません。

cは適切です。 需要の価格弾力性が1に等しい場合、価格の増減と需要の増減が一致するので、売上額は変化しません。

dは適切です。需要の価格弾力性が1より大きい場合、企業が価格を引き下げる戦略をとると、売上額は増加します。

よって、正解の選択肢はエです。

 

 

 

 

 

【第14問】
下図には、総費用曲線が描かれている。生産が行われないときの費用は点 A で示されている。この図に関する記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

〔解答群〕

  1. AF を1とすると、BF が平均可変費用を表している。
  2. 原点と点 C を結ぶ直線の傾きが限界費用を表している。
  3. 産出量 $Q_0$ における可変費用は FG に等しい。
  4. 産出量 $Q_1$ における固定費用は、$Q_0$ における固定費用に HI を加えたものである。
  5. 点 C における総費用曲線の接線の傾きが平均費用を表している。

 

【解答と解説】
解答:ア

 

解説

  1. 正解です。平均可変費用は可変費用/産出量で示されます。三角形ABFと三角形ACHは相似ですので、AF を1とすると、BF が平均可変費用を示しています。
  2. 不適切です。限界費用は点 C における総費用曲線の接線の傾きです。
  3. 不適切です。可変費用は等しくありません、等しいのは固定費用です。
  4. 不適切です。産出量 $Q_1$ における固定費用は、HIです。
  5. 不適切です。平均費用は原点と点 C を結ぶ直線の傾きです。

 

 

 

 

 

【第15問】
下図には、等費用線が描かれている。この等費用線に関する記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

〔解答群〕

  1. 資本のレンタル価格が上昇する場合、横軸上の切片 B は不変のままで、縦軸上の切片 A が上方に移動する。
  2. 縦軸上の切片 A は、資本の最大投入可能量を示している。
  3. 賃金率が上昇する場合、横軸上の切片 B は不変のままで、縦軸上の切片 Aが下方に移動する。
  4. 費用が減少すると、等費用線は右方にシフトする。

 

【解答と解説】
解答:イ

ポイント

等費用曲線
費用関数における生産量と費用の関係を曲線として示したもの。不変費の限界費用の性質により,生産量がある一定量に達するまでは逓減するが,その限度をこえると逓増する。短期費用曲線と長期費用曲線があり,後者は前者の包絡線として得られる。

コトバンク引用

 

解説

  1. 不適切です。資本のレンタル価格が上昇する場合、横軸上の切片 B は不変のままで、縦軸上の切片 A が下方に移動します。
  2. 正解です。縦軸上の切片 A は、資本の最大投入可能量を示しています。
  3. 不適切です。賃金率が上昇する場合、横軸上の切片 B は左方に移動します。
  4. 不適切です。費用が減少すると、等費用線は左方にシフトする。

 

 

 

 

 

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