経済学・経済政策

中小企業診断士:2017年度経済学・経済政策(1-5)

【第1問】
下図は、日本、アメリカ、EU の失業率の推移を示している。
図中のa〜cに該当する国・地域の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

出所:内閣府『世界経済の潮流』(2016 年Ⅰ)

〔解答群〕

  1. a:EU b:アメリカ c:日本
  2. a:EU b:日本 c:アメリカ
  3. a:アメリカ b:EU c:日本
  4. a:アメリカ b:日本 c:EU
  5. a:日本 b:アメリカ c:EU

 

【解答と解説】
解答:ア

ポイント

世界経済の潮流(2016年 I)
<2016年上半期 世界経済報告>

第3節 英国のEU離脱問題:世界経済の新たなリスク

内閣府引用

 

解説

ポイントに示した資料を見ることで、a:EU b:アメリカ c:日本であることがわかります。

日本は失業率が低いので、cが日本であることがわかります。

アメリカはリーマンショックの時に急激に失業率が増えたので、bはアメリカであることがわかります。

よって残りのaは EUであることがわかります。

よって、正解の選択肢はアです。

 

 

 

 

 

【第2問】
下図は、2000 年以降の日本の経常収支の推移を示している。経常収支は、貿易・サービス収支、第1次所得収支、第2次所得収支から構成される。
図中のa〜cのうち、貿易・サービス収支と第1次所得収支に該当するものの組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ

出所:財務省ホームページ

〔解答群〕

  1. 貿易・サービス収支:a 第次所得収支:b
  2. 貿易・サービス収支:a 第次所得収支:c
  3. 貿易・サービス収支:b 第次所得収支:a
  4. 貿易・サービス収支:c 第次所得収支:a
  5. 貿易・サービス収支:c 第次所得収支:b

 

【解答と解説】
解答:ウ

ポイント

経常収支

貿易・サービス収支、第一次所得収支、第二次所得収支の合計。
金融収支に計上される取引以外の、居住者・非居住者間で債権・債務の移動を伴う全ての取引の収支状況を示す。

  • 貿易・サービス収支  貿易収支及びサービス収支の合計。実体取引に伴う収支状況を示す。
    • 貿易収支  財貨(物)の輸出入の収支を示す。
      国内居住者と外国人(非居住者)との間のモノ(財貨)の取引(輸出入)を計上する。
    • サービス収支  サービス取引の収支を示す。
      (サービス収支の主な項目)
      輸送:国際貨物、旅客運賃の受取・支払
      旅行:訪日外国人旅行者・日本人海外旅行者の宿泊費、飲食費等の受取・支払
      金融:証券売買等に係る手数料等の受取・支払
      知的財産権等使用料:特許権、著作権等の使用料の受取・支払
  • 第一次所得収支  対外金融債権・債務から生じる利子・配当金等の収支状況を示す。
    (第一次所得収支の主な項目)
    直接投資収益:親会社と子会社との間の配当金・利子等の受取・支払
    証券投資収益:株式配当金及び債券利子の受取・支払
    その他投資収益:貸付・借入、預金等に係る利子の受取・支払
  • 第二次所得収支  居住者と非居住者との間の対価を伴わない資産の提供に係る収支状況を示す。官民の無償資金協力、寄付、贈与の受払等を計上する。

財務省引用

 

解説

2011年に着目します。

その年は東日本大震災の影響で原子力発電所が稼働不可能になったため、日本はエネルギーを輸入が大幅に増えました。

そのため、貿易収支がマイナスになるため、bが貿易・サービス収支です。

よって、正解の選択肢はウです。

 

 

 

 

 

【第3問】
国内総生産(GDP)に含まれるものとして、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。

a 株価の上昇
b 警察や消防などの公共サービスの提供
c 農家の自家消費
d 中古住宅の購入

〔解答群〕

  1. aとb
  2. aとc
  3. bとc
  4. bとd
  5. cとd

 

【解答と解説】
解答:ウ

ポイント

GDP
国内総生産のことで、1年間同じ国に住んでいる人々によって新たに生産されたモノやサービスの付加価値のことです。ごく簡単にいうと国内で商品を買ったり、家を建てたりして使われたお金の総計ともいえます。

SMBC日興証券引用

 

解説

aからdまでを順番に見ていきます。

aの株価の上昇はキャピタルゲインのに関する物であり、価値を作り出して得た利益ではないため、不適切です。
b 警察や消防などの公共サービスの提供は社会活動の付加価値であり、人件費などのコストがGDPに含まれますので、適切です。
c 農家の自家消費は仮に食べようと思った際に、なかったら買いに行く必要があるため、その分はGDPに含まれることになるので、適切です。
d 中古住宅の購入は新たに財を生み出したわけではないので、不適切です。

よって、正解の選択肢はウです。

 

 

 

 

 

【第4問】
GDP は、国の経済の大きさを測る際に利用される代表的な尺度のひとつである。
GDP を需要サイドから捉えたものは総需要と呼ばれる。以下の設問に答えよ。

(設問1)
総需要は、民間消費、民間投資、政府支出、純輸出から構成される。下図は、2000 年度以降の日本の総需要の構成割合を表している。
図中のa〜cに該当するものの組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。


出所:内閣府ホームページ

〔解答群〕

  1. a:純輸出 b:政府支出 c:民間投資
  2. a:政府支出 b:純輸出 c:民間投資
  3. a:政府支出 b:民間投資 c:純輸出
  4. a:民間投資 b:純輸出 c:政府支出
  5. a:民間投資 b:政府支出 c:純輸出

 

(設問2)
総需要の大きさは、均衡 GDP の決定にとって重要である。総需要と均衡 GDPの関係は、下図のような 45 度線図によって表すことができる。下図で、$Y_F$ は完全雇用 GDP、$Y_E$ は現実の GDP、AD は総需要である。総需要線が $AD_0$ から$AD_1$ に上方シフトすることで完全雇用 GDP を実現できる。
このとき、乗数の大きさを表すものとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

〔解答群〕

  1. $\displaystyle \frac{ AF }{ AB }$
  2. $\displaystyle \frac{ AF }{ AE }$
  3. $\displaystyle \frac{ AB }{ BF }$
  4. $\displaystyle \frac{ AF }{ BF }$

 

【解答と解説】
(設問1)解答:ウ
(設問2)解答:エ

ポイント(設問1)

国内総生産は下記で示されるのが一般的です。

国内総生産=民間最終消費支出+政府最終消費支出+総資本形成+純輸出

しかしながら、問題文では下記のように示されています。

国内総生産=民間消費+民間投資+政府支出+純輸出

この違いは、以下のことから変換することができます。

  • 総資本形成は民間投資と政府投資に分けて考えられていること。
  • 政府最終消費支出と政府投資が政府支出としてまとめられていること。

 

解説(設問1)

ポイントに示したことを理解した上で、問題に取り組みます。

まず純輸出は、比率が最も少ないということが理解できていれば、cには純輸出が入ります。

政府支出は政府最終消費支出と政府投資の合算であることから大きな値になること、

民間投資はリーマンショックの影響で2009年に落ち込んでいることを知っていれば、

aは政府支出、bは民間投資が入るとわかります。

よって正解の選択肢はウです。

 

ポイント(設問2)

45度線分析
財市場において、総需要と総供給が一致するように、均衡国民所得が決定されます。

 

解説(設問2)

45度線分析における乗数効果とは、総需要の増加分に対する、GDPの増加分のことをいいます。

問題文の図から、総需要ADの増加分をBF、GDPの増加分をAEであることがわかります。

したがって、求める乗数はAE/BFです。

ただし、三角形AEFは、二等辺直角三角形であることから、AE=AFです。

つまり、AE/BF=AF/BFとなります。

よって、正解の選択肢はエです。

 

 

 

 

 

【第5問】
需給ギャップ(GDP ギャップ)は景気や物価の動向を把握するための有効な指標であり、マクロ経済政策の判断において重要な役割を果たしている。日本では、内閣府や日本銀行などがこれを推計し、公表している。
需給ギャップに関する記述として、最も適切なものはどれか。

〔解答群〕

  1. オークンの法則によれば、需給ギャップがプラスのとき、雇用市場は過少雇用の状態にあると考えられる。
  2. 需給ギャップのプラスが拡大しているとき、物価はディスインフレーションの状態にあると考えられる。
  3. 需給ギャップのマイナスが拡大しているとき、景気は後退していると考えられる。
  4. 需給ギャップは、$\displaystyle \frac{ 潜在 GDP - 実際の GDP }{ 実際の GDP }$ によって計算される。

 

【解答と解説】
解答:ウ

ポイント

需給ギャップ
一国の経済全体の需要と潜在的な供給力の差のこと。GDPギャップとも呼ばれる。総供給が総需要を上回り需要不足となると需給ギャップはマイナスになり、デフレの傾向がでることから、デフレ・ギャップといわれる。
一方で、総需要が総供給を上回ると需要超過となり、需給ギャップがプラスとなって、インフレの傾向がでることから、インフレ・ギャップといわれる。
需給ギャップは、経済全体の供給力(潜在GDP)と実際の需要(実質GDP)との乖離を示し、「(実質GDP-潜在GDP)÷潜在GDP」で計算される。

野村証券引用

 

解説

  1. 不適切です。オークンの法則は実質国内総生産(実質GDP)の成長率と失業率の変化の間に負の相関がみられるという経験則。実質GDP成長率が上昇すると、失業率は低下することを言います。需要ギャップがプラスの時にはインフレになり雇用市場は人手不足になりますので、失業率は低く、過少雇用にはなりません。
  2. 不適切です。需給ギャップのプラスが拡大しているとき、物価はインフレーションの状態になります。
  3. 正解です。需給ギャップのマイナスが拡大しているとき、デフレの傾向であるから景気は後退していると考えられます。
  4. 不適切です。需給ギャップは、$\displaystyle \frac{ 実際の GDP - 潜在の GDP }{ 潜在の GDP }$ によって計算される。

 

 

 

 

 

-経済学・経済政策
-, , ,

Copyright© ごん太の自習室 , 2020 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.